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生活保護は、国民の権利だ。
杉浦公昭
言うまでもなく生活保護制度は国の国民へのお恵みでなく、憲法25条に書かれている権利です。
国会で日本共産党副委員長の田村さんが安倍首相に確認し、広く国民に宣伝するよう求めました。
生活に困ったときは、堂々と申請し、受給者を非難することは、止めましょう。
21時間前 ·
私たちは何を守ろうとしているのか
昨日は都内で「ウクライナ問題と憲法9条」を講演しました。参加者は90人ほどで会場いっぱい。パワーポイントを作ったけれど手違いで上映設備がなく(笑)、マイクだけで1時間40分話しました。それがかえって良かったようで、みなさんずっと熱心な反応です。終わったあとは興奮状態で質問や意見のラッシュでした。
みんな、自分の思いを伝えたいのです。いいことです。講演会はともすれば学校の授業のようになりがちですが、参加した人が意見を交わすような場でありたいですね。
その点、FBは理想的な語らいの場です。ただ制限なしですから、暴言も入ってきます。ロシアのテレビ局で反戦の紙を掲げた勇気ある女性を「あいつはやらせだ」という誹謗中傷が出回っているそうです。悲しいですね。さもしいですね。命をかけて行動に出た人の心を踏みにじるのは、彼女の人間性への侵略行為ですよ。
街頭で「憲法9条を」と声を上げたら「9条で国を守れるか」と罵声を受けて凹んでしまった、というメールをいただきました。ちょっと待って。僕は問いたい。私たちは何を守ろうとしているのでしょうか?
ロシアから侵略されたウクライナ軍に頑張ってもらってロシア軍を皆殺しにしろ・・・なんて言ってませんよね。世界の人々が掲げているのは「NO WAR」つまり、戦争のない世の中、平和です。戦争をやめろ、侵略者はただちに撤退しろと言っているのです。ウクライナ人に生きのびてほしいだけでなく、独裁者の手先とされたロシア兵も無駄死にせず命をまっとうしてほしいと願っているのではないでしょうか。
「9条で国を守れるか」と言う人は「武力には武力が必要だ」「敵は殺せ」と短絡的な発想をします。「国を守る」と言う発想は、国が違えば殺して当然となります。国境を境に常に敵を設定し、日本がロシアや中国を上回る武力を持たないと安心できないと考えるのです。その考えは容易に核兵器に結びつきます。現にそう発言する元首相がいます。
これって戦国時代ですよ。もっと言えば野獣の発想です。人間の考えではない。私たちは幸い戦国時代ではなく21世紀に生きています。その幸運を捨てて、この世界を再び戦国時代に戻すなら、歴史は私たちに人間失格の烙印を押すでしょう。
「きれいごとを言うな」なんて、言うなよ。そんなことを思うこと自体が自分の人間性をおとしめていることに気づいてほしい。今回の問題はプーチンの考えだけでなく私たちの考えの根底にあるものを問うているように思えます。
私たちが9条で守るのは、人間性です。だからこそ訴えは国境を越えて普遍性を持つのです。敵や味方を越え人間性を守って初めて世界は平和に行きつきます。9条が世界の人々から支持され世界の国がなべて9条を憲法に持つとき、世界は初めて平和になります。世界のだれもが安心して暮らすことができるようになります。そこは誇りを持って主張しましょう。
「9条で国を守れるか」という人には、最後には殺し合いになって人類が破滅に至ることへの想像力が欠けています。敢然と鷹揚に、優しく指摘してあげましょう。
冷静に考えてください。力の対決の発想に立つとどうなるか。いま、日本の防衛費は5兆3千億円です。岸田首相はそれでは足りないから倍にしようと言います。すると10兆円を超えます。でも、彼は満足しないでしょう。中国と同じレベルに行って初めて安心するでしょう。中国の2022年度の軍事費は27兆円です。日本もそこまで上げます?
いいえ、それにとどまりません。習近平は2030年度にはアメリカと同レベルにすると言っています。米国の22年度の国防費は87兆円ですよ。その先は減らすと言いますが、中国が上げるなら、米国も冷戦時代の対ソ連のように軍拡競争をするでしょうね。
日本もそうしますか?日本の年間の予算は100兆円規模ですよ。その9割近くを防衛費にします?それって戦争状態ですよ。いや、すでに年間予算の6割を軍事費に向けた状態で戦争状態です。そもそも生活できません。
こんな現実的な数字を挙げると、とたんに抑止論者は「いやあ、そこまで無理だから、今以上にアメリカに頼ろう」なんて言います。まさに植民地根性。米国だってカネがありません。その国の防衛はその国でやってくれ、という立場です。はねつけられますよ。
こんな抑止論者に罵倒されて凹むようでは、まだまだです。だからこそ話し合いをし、知識を吸収し、自分を磨くことです。暴言や中傷でなく、人間性からほとばしる真摯な話し合いから、より良い、より確かな世界を創り出そうではありませんか。
画像は平和憲法を持ち、本当に軍隊をなくしたコスタリカの国会です。一つの方向を向いている日本と違って、ぐるりと囲んでみんなが討論することが形に現れています。ちなみに女性議員が46%、ほぼ半数を占めます。ここから見ても、日本はまだまだ力が優位の男社会なのです。
伊藤 千尋さんの「歌う革命」と「人間の鎖」記事
(バルト3国の非暴力独立)
3月12日 伊藤 千尋 15時間 · の
「歌う革命」と「人間の鎖」
(3国エストニア、ラトビア、リトアニアの非暴力による独立例)
3月12日 伊藤 千尋 15時間 ·
「歌う月12日革命」と「人間の鎖」そして9条~非暴力の力
大国に挟まれた小国の視点について先に、旧ソ連だったバルト3国エストニア、ラトビア、リトアニアの例を述べました。ウクライナより小さなこの3国は、平和なうちに自力で独立を達成しました。その経緯を話し「力の対決」とは違う方法を探りたいと思います。
5年前にバルト3国を訪れたさい、心に沁みた言葉が二つあります。「すべてが失われたように思えたとき、人は友の手を握る」が一つ。もう一つはソ連軍が武力で介入したときの「歌は数百年にわたり私たちを助けてくれた。歌おう、今こそ歌おう」です。非暴力の抵抗を貫き、それが最終的に勝利をもたらしました。
平和な革命のきっかけはウクライナのチェルノブイリで起きた原発事故でした。環境問題に目覚めた市民はソ連が建設しようとした大型ダムに反対の署名運動をし、建設中止に追い込みました。1987年のことです。ソ連の歴史上、予算の降りた大規模計画を市民運動で止めた最初の出来事でした。
翌1988年、エストニアの首都郊外の野外ステージで「歌の祭典」が開かれました。集まったのは30万人もの人々です。そこで合唱したのが「我が祖国は我が愛」という民族の歌でした。ソ連政府から長く禁止されていたこの歌を大合唱したのです。警察もいたけれど30万人を止めることはできなかった。その2か月後、エストニアの議会は独立に向けた主権宣言を出しました。
翌1989年、ソ連で改革路線が始まったのを機に「ゴルバチョフの改革を支援する」という名目で行ったのが「人間の鎖」です。3国の市民200万人が手をつなぎ、3国の首都600キロを結びました。
リトアニアの首都ビリニュス中心部の広場の石畳に足形があります。ここが南の起点です。エストニアの首都タリンの高台の公園にも足形があります。これが北の終点です。手をつないだ人々が歌ったのは「ブンダ ヤウ バルティヤ(バルト3国は目覚めた)」。「人間の鎖」のために作られた歌です。
現地で僕に通訳してくれたシモーナさんは早稲田大学への留学生でした。5歳のときにお母さんが勇気を奮って「行こう」と言い出し、父親と2歳の弟とともに参加したそうです。「これが私の人生の最初の大きな記憶です。誇りに思っています」と話します。
これだけのことを組織だって行うのは大変でした。KGBの監視下で当局にばれないようひそかに、3国にまたがって準備したのですから。彼らはそれをやってのけたのです。
リトアニアでは翌年の選挙で人民戦線が圧勝し、最高会議は主権回復を宣言します。そこにソ連が武力で介入し、落下傘部隊が首都ビリニュスのテレビ塔を攻撃しました。塔を守ろうと集まった市民14人が殺され、数百人が負傷しました。
このときです。リトアニア最高会議議長は議事堂の周辺に集まった人に呼びかけました。「歌は数百年にわたって私たちを助けてくれた。だから今こそ歌おう。挑発したり争い合うのでなく、あるべき姿でいよう。銃撃を忘れて、歌おう!」
無抵抗の市民にソ連軍が発砲したニュースは世界に伝わりました。西欧が味方しただけでなく、ロシアのエリツィンも改革派を支持しました。すかさず3国で国民投票をすると、独立賛成が90%を占めました。
そこに驚愕することが起きました。モスクワでクーデターが起き、ゴルバチョフが拘束されたのです。ソ連軍はバルト3国に出動しました。ところが翌日、クーデター失敗が明らかになるとソ連軍は引き揚げました。ラトビアでは放送局を占拠したソ連軍が撤退するのに合わせて、市民は民謡「あなたにさようなら」を歌いました。
この流れの中で3国は独立を宣言し、念願の独立を果たしたのです。1940年にソ連に無理やり組み入れられてから、51年後です。
ロシアが大規模に侵略したウクライナとは条件が違うし、モスクワでも変化が起きたという好条件がありましたが、このような闘い方もあるのです。「力の対決」とは違うやり方、非暴力の闘いはけっして無力ではないし、犠牲を最小限に抑えて目的を達成することを教えてくれます。
主張に普遍性があれば行為に自信を持つし、徹底的に抵抗する勇気を生みます。自覚した市民が連帯して目に見える行動を起こせば、状況を変える力となります。そのさいに「歌」があれば自らを鼓舞するとともに周囲を巻き込みます。
またも長くなってしまいました。日本や9条との関連は次回にお話ししたいと思います。バルト3国のこの間の動きを詳しく知りたい方は、2020年に出版した拙著『連帯の時代』(新日本出版社)をお読みいただければ幸いです。
画像はエストニアの首都タリンの郊外で30万人が歌った「歌う革命」の様子と、リトアニアの首都ビリニュスの広場に刻まれた「人間の鎖」の足跡です。
3月11日伊藤 千尋さんのFacebook投稿記事より
杉浦公昭
本日、Facebookで又、伊藤千尋さんの投稿記事を見つけました。
参考の為、お送り致します。時間が許したらご覧ください。
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3月11日 17時間前 ·
今、ウクライナはどうなっているのか?
ここ数日、ロシア側とウクライナ側の専門家にそれぞれ直に取材し、さまざまな論文を読みました。先にバルト3国の例を挙げましたが、その後半をお話しする前に、ウクライナをめぐる今の戦況について解説します。
まずロシアの思惑です。プーチンはウクライナがロシアのものだと思い込んでいます。そのウクライナを西欧にそそのかされたネオナチの政権がのっとってしまった。だからロシアの手に取り返そう、という発想です。ちなみにプーチンはナチスと関係がなくても反ロシアの人をネオナチと呼んでいます。
そこから出てきたのが、ロシア軍が出動すればウクライナの人々はもろ手を挙げて歓迎し、ゼレンスキー政権は2日もあれば降伏するという見通しでした。だから攻め方がずさんだったのです。本来なら空爆でレーダーサイトだけでなく軍事施設、飛行場を完全にたたき制空権を確保してから地上軍を投入するのがセオリーですが、その前に地上軍を入れてしまった。しかも軍事常識は一点突破なのに、あちこちに分散しました。
ロシア軍の兵力は92万人、ウクライナ軍は20万弱。力の差は明らかです。それにロシア国境から首都キエフまで90キロ、主要都市ハリコフまでならわずか30キロです。それが2週間たっても攻略できない。
ロシア軍は総兵力では多いけれど、国土が広いので分散しています。旧ソ連の後継で核兵器も大量に持ち、いかにも強そうだけど、兵力は世界で5位です。陸軍としてこの一帯で動かせるのは36万しかいません。これは韓国陸軍より少ないのです。しかも、今回、投入したのは15~17万です。
これに対してウクライナ軍は19万6千人いて、うち地上兵力は15万です。侵攻したロシア軍とそんなに変わりはありません。しかも総動員令によって予備役や一般市民も入ります。兵士の数としてはウクライナの方が多いくらい。それに祖国防衛という大義があり、地の利もあります。だから2日どころか2週間も持ちこたえているのです。
ロシアの戦車が一列で立ち往生している画像が話題になりました。命令系統の混乱や兵站の不備などが言われ、実情は不明です。ただ、ウクライナの土壌は黒土で、戦車が通るとめり込んでしまいます。第2次世界大戦の独ソ戦でも、これでナチスの戦車が立ち往生しました。つまりちゃんとした舗装道路しか通れないのです。だから一列になるのです。点と線しか制圧できない。
これではいかんとハッパをかけにきたロシアの司令官はウクライナ軍の狙撃手に撃たれて死亡しました。面を制圧できないから、ウクライナの狙撃手が近寄れるのです。とはいえせっかく一列に並んでいるのだからウクライナは対戦車砲でも撃ち込めば良さげなものですが、そこまでやる能力はウクライナ側にない。だから膠着しているのです。
しかし、ロシア軍は態勢を立て直しています。これから懸念されるのは民間人もかまわず標的にする無差別殺戮です。避難民を逃がしているのも、民間人はもうすべて出てしまったはずだ、という口実にするのでしょう。そうなると今をはるかに上回る相当な犠牲者が出るし、大きな破壊が進みます。考えたくないことです。
たとえキエフが落ちてもウクライナの政権は西部に移り、あるいは国境を越えてポーランド側に行き、ゲリラ戦をやって抵抗するでしょう。第2次大戦のときも侵入したナチスに対してパルチザンを結成しゲリラ戦を展開しました。ウクライナの面積は日本の1.6倍です。ロシアは一時的に大都市を制圧しても、全ウクライナを長期には支配することはできません。
そのうちにロシアに経済制裁の効果が出てきます。生活が危うくなったら、さすがにロシア人も声を上げるでしょう。また「ウクライナ人もロシア人と言ったじゃないか。ロシア人をなぜ殺すのか」という疑問が出るでしょう。強力な報道管制をしていますが、それをしなくてはならないところに弱みが透けて見えます。すでにプーチンを支えてきた大物実業家たちが戦争の停止を主張しています。プーチンは焦っています。
これが大まかな現状です。その後に考えられるのは仲介(可能性があるのはトルコだけ)による休戦ですが、まだ先です。これも考えたくないことですが、最悪のシナリオとして限定的な核兵器の使用がささやかれています。
核と言えばロシア軍が原子力発電所を抑えました。これは、ウクライナがロシアに対抗するため核兵器をつくっているというプーチンの主張を裏付けるためです。ウクライナがそんなことをしていないのは国際原子力機関(IAEA)の査察で明らかですが、プーチンは「核兵器製造の証拠を押さえた」と国内で勝手に宣伝しています。なにも原発を爆発させるという意図はないようです。ただ、上記のようなロシア軍ですからね・・・ずさんな扱いをしなければいいのですが、そこが心配です。
このような中できわめて多くの市民が戦闘で亡くなり、負傷し、あるいは家を失い、食べ物もなく路頭に逃げまどっているのです。病院も爆撃され、子どもも殺されています。一日も早く目の前の戦闘を終わらせることが肝心です。デモをすれば逮捕されるロシアの市民には、それができません。ならば声を上げられる人々が地球の様々な場所で声を上げることです。それが私たちの今現在の役割だと思います。
画像はウクライナ南部のオデッサ郊外にある、第2次大戦中の対独パルチザンの記念碑です。10年前に訪れたさいの撮影です。
ロシアは何故こんな蛮行に出たか?
杉浦公昭
2022.3.4 日、「ウクライナへの侵略に抗議する!ロシア軍は直ちに撤退を!」と安保法廃止を求めるオール埼玉の呼びかけで浦和駅前の街宣に参加しました。
私は侵略開始時点から、理想論かも知れませんが、世界の恒久平和は、主に大国による覇権主義を追放しない限り成り立たないと言ってきました。
それにしてもプーチンは何故こんな蛮行に出たのでしょうか? 疑問を持ってきました。
そんな時今朝、Facebookで以下に掲げるような掲示を見つけました。
いろいろ参考になりそうなので私のブログに掲載することにしました。
何かご意見などありましたら返信くだされば幸いです。
春はそこまで来ていますが、オミクロンの猛威は終わっていません。くれぐれもお体を大切にお暮しください。
大国に挟まれた小国の視点に立って
このところ、ロシアも悪いけれどNATOの拡大策がロシアを刺激したというロシアへの同情あるいは喧嘩両成敗のような論が出ています。ちょっと待って。それは、小国の意志を無視する見方です。旧ソ連だった小国は欧米にそそのかされてNATOに無理やり加盟させられたのではありません。自発的に加入したのです。歴史的にロシアがそうさせたと言っていい。
わかりやすい例を示します。ソ連崩壊の直前にソ連から独立したバルト3国です。5年前の2017年に現地に飛び、南のリトアニアから中央のラトビアさらに北のエストニアの3国をめぐって当時の事情を調べました。
この3国は第2次世界大戦が始まった直後の1940年、ソ連に侵略され軍事占領されました。ソ連は侵略行為を理由にこのとき国際連盟から除名されています。侵略に抗議したバルト3国の市民5万人が逮捕され、シベリアに送られました。
そこへナチスが侵入しました。ナチスは3国の人々をナチスに編入してソ連軍と戦わせました。さらに領土をドイツに組み入れました。独立を主張するバルトの市民は強制収容所行きです。
1944年には、勢いを盛り返したソ連がやってきました。ソ連はバルトの市民をソ連軍に編入してナチスとの戦いの最前線にやりました。文字通り大国に翻弄されたバルト3国は、人口の5分の1がこの時期に減っています。
第2次大戦が終わると大国の取引の中でバルト3国はソ連に組み入れられました。そしてエストニアとラトビアの東部はロシアの領土とされたのです。奪われた地は国土の1割近くです。日本で言えば北海道がそっくりソ連領になったようなものです。
さらにバルト3国にロシア人が50万人も移住してきました。今もラトビアの人口の33%がロシア人です。首都リガではロシア人が人口の過半数を占めます。数にものを言わせ、市長もロシア系です。
こうした中で2004年、バルト3国は欧州連合(EU)に加盟し、NATOに入ったのです。放っておいたら国内のロシア人が独立を宣言して、その要請によってロシア軍が「平和維持軍」の名目で侵入してくることが十分にありえたからです。現実に今、ウクライナがそうなっています。
現地の状況や歴史を知らないでいると、私たちはつい大国の動きだけに目を奪われがちです。しかし、その間には小国なりとも人が住んでいるのです。彼らはなんとかして安全な生活を維持しようとします。その結果が、過去も現在も続くロシアの脅威への対抗手段としてNATO加盟を選ぶという結果になったのです。敢えて言うなら、歴史的なロシアの抑圧が彼らをNATO側に追いやったとも言えるでしょう。
それがロシアとNATOの対立を強め、今回のようなことになるかもしれないという憶測は当時からありました。だからこそ同じような立場でもっと大きな国であるスウェーデンとフィンランドはNATOへの加盟を自主的に控えてきたのです。しかし、この2カ国も今回のロシアの侵略を見て、NATO加盟を検討しています。
ロシア擁護論として、NATOが国境近くまで来たらロシアは脅威に感じると言いますが、ロシアに隣接した小国はロシアの脅威を感じるどころかロシアにさんざん抑圧されてきたのですよ。大国に同情する前に、大国に抑圧されてきた人々の立場、視点を考えてほしいと思います。
とはいえ、こんな「力の対決」の論理に組み込まれてしまったら世界は完全に2分し、最後は核戦争に結びついてしまいます。あるいは超大国アメリカの支配に陥ってしまいます。では、どうしたらいいのか。そこにもバルト3国の例が参考になります。そして、今こそ日本の9条が世界に羽ばたくときです。
長くなったので別に書きます。
画像はソ連末期の1989年、バルト3国の市民200万人が3国の首都を結ぶ600キロを「人間の鎖」でつないだ歴史的な様子を記念切手にしたものです。これが平和なうちに独立を勝ち取る手段となりました。
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